地球温暖化が進む現在、築何百年といった日本の家屋の梁や古材を生かし、現代の家屋へと甦らせる…。そんな古民家再生プランで、世界にたったひとつしかない自分の城を、当社が設計・施工のお手伝いをさせていただきます。そして、伝統工法による昔ながらの技術を、後世に残していくことが、私たちの使命と思っています。
伝統工法を利用した古民家は、木材の特性を生かしながら、その土地土地の気候風土を考慮して、屋根の形状や壁などが作られています。たとえば、よく会話の中で「あの人をあてにしてるよ」などと使われますが、実は、その中に出てくる「あて」とは木材用語で、山の斜面に生息する木のことを言います。山の斜面に生息するので、当然最初は斜めに木が生えてくるのですが、少し成長するとまっすぐに伸びていき、とても丈夫な木になります。見た目は当然悪いのですが、とても丈夫なことから、影の主役として、見えない部分で大活躍をしています。そこから、「あてにする」という言葉がうまれたわけです。当時の大工さんたちは、まさしく木と対話をしながら、家づくりをしていたのでしょう。
大工暦60年の当社の棟梁は、「木と対話することだ」事あるごとにそう言っています。その棟梁が責任をもって、檜、杉等といった木の特性を生かしながら、どこの部分にはどの木材をしようしたらいいかを考慮しながら、古材を最大限にいかした家作りをさせていただきます。つまり熟練大工の技術の如何に関わってくるわけです。
使用されていた木材は、年輪をつんだ木材を使用しており、且つ築100年以上をこえているものが多いので、完全に乾燥しており、とても丈夫です。日本は地震多発国ですから、昔ながらの「ほぞ」と補強金具を利用すれば、大型の地震でも安心です。
そして何よりも、資源を有効に使うことができます。
当然、古材をそのまま使用できれば良いのですが、シロアリなどにより一部カットする必要がある場合があったり、補強や接木も必要になる場合もあります。
また、新築工事とは違い、解体費用、部材保管費用、運搬費などがプラスされますが、その分、一部吹き抜けにしたり、オール電化にしたり、太陽光発電を利用したりすることにより、コストを抑えることはできます。
その他、吹き抜けにする場合は、暖かい空気は上にいく性質があることから、2階や屋根裏は夏は非常に暑くなります。その際は、換気口を設けることである程度防ぐことができます。暖房に関しては、まきストーブを設けたい場合は、石や瓦は蓄熱効果があるので、屋根を瓦にしたり、ストーブ自体を石で作成したりすることで、暖かさは持続します。
そしてやはり、規格化されたメーカーの新築住宅と違い、お客様との打ち合わせに多くの時間を費やしますので、時間がかかります。
では、ここで実際に当社が手がけた物件を例に説明をしていきましょう。
このお宅は愛知県知多郡にあり、ご主人、奥様、お子様(建築当時1歳くらい)の3人住まいです。大分県の古民家で利用されていた、大黒柱、梁などの軸組みを移築し、その移築と屋根工事に私たちは携わりました。内装工事、電気工事、左官工事などは、お施主様自らなさいました。
ドーマについては、お施主さんの身長や見える風景などを考慮し、図面とは若干サイズや位置を変えました。左下の写真は、実際にドーマから見える風景です。
できあがった概観写真は左の写真のとおりです。
では、中をのぞいていきましょう。天井部分です。写真から、梁を利用してお子様用にブランコをつけたことが、わかるかと思います。
照明にいたっては、玄関先は最近流行のダイエットボールを利用して、型どりをしており、
トイレに関しては、変木と豆電球を利用して作っています。
玄関先においては、コンクリートにたくさんの色のビー玉をしきつめ、生まれたばかりのお子様の足型が至るところに見受けられます。
ガスや、トイレの取っ手部分にもお施主様のこだわりが感じられます。
ベランダがとても広くL型になっており、室内との段差がないので、お子様が室内用三輪車に乗って自由に動き回ることができます。
そのほか、カーテンレールは既製品を利用せず、竹竿を使用したり、郵便受けも既製品を使わずに、竹でできたざるを利用されたりしています。
古民家再生に至るまでは、紆余曲折ありましたが、設計士の方の「住みたい家に住むのが一番いい」一言で、話はとんとん 拍子に進んでいきました。これからは、こちらも他の方の家づくりに協力していきたいと思います。